タンクローリーの構造

このページは、タンクローリーの外部構造や内部構造、タンクの材質などを紹介しています。タンクローリーの歴史や、主要メーカーについての情報は以下のページでご覧ください。

タンクローリーとは

一般的にタンクローリーとして知られる車両は、正式にはタンクトラック(tank truck)もしくはタンク車といいます。

基本的には危険物とか液化ガスのような液体を輸送するための車両なので、小麦粉やペレットのような粉粒体を輸送する車両はバルク車とかバラ積み車などと呼ばれます。どれもタンク形状を有することにかわりはないので、このサイトではタンクトラックもバルク車も、すべてまとめてタンクローリーとして扱います。

タンクのカタチと積載物

タンクローリー断面形状
タンクの形の違い

タンクローリーのタンクの形状(断面)は、楕円型真円型、もしくは角型のいずれかに大別することができます。

楕円タンクは重心を下げられるため、危険物を輸送するタンクローリーに多く採用されます。真円タンクは楕円や角型タンクに比べて強度に勝るため、LPガスやLNGのような内圧が高くなる高圧ガスを積載するタンクローリーに多い形状です。角型タンクはタンク上部を広くすることができる形状で、飼料用タンクローリーなどで使用されています。

危険物タンクの外部構造

危険物タンクの構造
危険物タンクの仕様(GP企画センター編(2010)特装車とトラック架装, p122に加筆)

タンクの筒状の部分は胴板といい、タンク前後の部分を鏡板とよびます。通常、3-4枚の湾曲させた金属板を溶接して筒型の胴板を作り、そこに鏡板を溶接することでタンクを組み上げます。

危険物タンク(移動タンク貯蔵所)の上部には、マンホールなどの付属装置が設置されています。こうした付属装置を保護するために、付属装置の周囲を囲む防護枠を設けることが義務付けられています(危険物の規制に関する政令 第十五条第一項第七号)。防護枠は、仮にマンホールから危険物が溢れても流れ落ちないようにするための溢流防止としての役割も持っています。また、タンクが横転しても完全に逆さまにならないように、タンク側面には側面枠とよばれる突起物が付けられています。

タンク上部のマンホールには、注入口検尺空気安全弁が備えられています。注入口は、危険物を注入するための穴です。検尺とは、タンク内の液量を計測するための棒です。自動車のオイルゲージと同じようなものです。空気安全弁はタンクの内圧が上がり過ぎた際に空気を逃して安全性を確保するためのもので、常用圧力の1.1倍になると開く仕組みになっています。

タンクの底部には、液体を排出するためのバルブ(底弁)があります。この底弁を開閉するためのハンドル(底弁ハンドル)がタンク上部に設けられています。乗組員は、タンク上部に登って底弁ハンドルを操作し、底弁を開閉します。最近では、エアーによる開閉機構を備えたエア式底弁も普及していて、わざわざ上まで登らなくても底弁を開け閉めすることが可能になっています。

危険物タンクの内部構造

tanktruck_perspectivediagram
危険物タンクの内部と配管構造

危険物タンクは最大で30,000Lまで危険物を積載することができます。しかし、タンクの内部は一室4,000L以下になるように間仕切りをしなければなりません(危険物の規制に関する政令 第十五条第一項第三号)。間仕切りに使用される板は仕切板と呼ばます。仕切板はタンクに溶接されているため、タンク内は独立分離した小部屋を複数作り出すことができます。仕切板でタンク内を分けることで、軽油やガソリンなど、一つのタンクローリーに異なる液体を混載することが可能です。

タンク内が4,000L以下に抑えられているといっても、積載された液体が過剰に揺れるとタンクローリーの横転を誘発する危険性があります。こうした観点から、分割されたすべての小部屋には過剰な揺れを抑えるための防波板が取り付けられています。

タンクの材質

用途に応じて、タンクの材質には様々な素材が利用されています。多くの危険物タンクには、鉄やステンレス、アルミ合金が使われます。

鉄鋼材として主に使われるのは、SS400というものです。SSはsteel structure(構造用材)の略で、400とは引張り強さが400-510(N/mm2)であることを意味します。鉄といえばSS400というぐらい極めて普遍的な鋼材です。ほかに、より強度を高めたHITEN(ハイテン)などの高張力鋼材が用いられる場合もあります。

ステンレスは、鉄(Fe)とクロム(Cr)の合金で、鉄よりも腐食に強いことから、stein(よごれ・キズ)less(少ない)という名前がつきました。ステンレスといっても、常温での金属組成の違いによっていくつかの種類が存在します。このうち、オーステナイト系ステンレスとよばれるものの一種にSUS304があり、タンク素材として利用されています。SUSとはsteinless used steel(ステンレス鋼)の略です。加工が容易なため広く流通していて、ステンレスの代名詞といえます。

アルミ合金は、軽量なアルミニウム(Al)に強度を増すための亜鉛(Zn)やマグネシウム(Mg)などを加えた合金です。軽量であることが大きな特徴で、車重が軽くなるとそれだけ多くのものを積むことができますが、アルミ合金は高価で加工が難しいという欠点があります。

チタン・FRP・ハステロイ

チタン(Ti)は、海沿いに立地する福岡ヤフオクドームの屋根に採用されていることからわかるように、高い耐食性も持つ金属です。さらに軽量で高強度なので、タンクの材料として最適な気がします。しかし、塩酸や硫酸には意外にも腐食されてしまうため、現実には次亜塩素酸ソーダのタンクローリーに使用されています。

ヤフオクドームの屋根はチタン製

FRPとは

 

ライニングといっても様々

ゴム系ライニングと樹脂系ライニング

ゴム系は天然軟質ゴム、天然軟硬質ゴム、天然硬質ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム

樹脂系はシートライニング、フッ素樹脂ライニング

 

参考文献

  • GP企画センター編(2010)特装車とトラック架装, グランプリ出版.
  • GP企画センター編(2006)トラックのすべて, グランプリ出版.
  • 新川栄一(2015)モーターファン別冊 働くクルマのすべて, 三栄書房.

 

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